東京エモみ図鑑

渋谷のOLがエモいものを見つけては上げていきます

No.18 首都高のおなか

 

首都高のおなか

 

 

 

246の上には首都高渋谷線が走っていて

下を歩くと首都高の底が見えるのだけど、

それを勝手に首都高のおなかと呼んでいる。

 

 

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首都高のおなかは縦縞で、いつか百科事典で見たザトウクジラのおなかもこんな感じだったような、ちょっと違ったような、どうだったかな?

 

なんてことを考えながら家に帰るのが好きだ。

 

 

 

金木犀の花は台風が根こそぎ持っていってしまったようで、先週より空気の匂いが冬に近づいた気がする。

 

 

歩いて帰るのにちょうどいい季節は短い。

 

 

 

 

 

 

 

 

No.17 早朝の明治神宮

 

早朝の明治神宮

 

 

ふだんは夜型なのに珍しく朝早く目が覚めてしまい、散歩へ出ることに。

 

 

せっかくなので早朝からやっているパン屋さんをGoogleで検索し、朝ごはんを買いに行く。

 

 

代々木公園でほかほかのパンをかじりながら歩いていると、「明治神宮方面」の案内板を見つける。せっかくついでにいざ参拝。

 

 

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明治神宮の森は100年前に人工で作られた森なのに、いまは自然の力で新陳代謝が進み、独特な生態系が生まれているのだとNHKで言っていた。

 


広葉樹たちが日光をほどよく遮断して、森はしっとりひんやりとして、濃い緑の匂いがする。

 

 

原宿には読者モデルと美容師と高校生のほかにも、神様と、人が作った森と、そこに集まってきた鳥や虫や、たぬきの家族も棲んでいる。実はすごく不思議な街なんじゃないかと思う。

 

 

じつは先週からそんな街で働きはじめている。不思議な街の構成員として、ひとつよろしくお願いしますとお参りをしてきた。これからどんなことが起こるだろう。

No.16 マンションと月

 

マンションと月

 

 

 

東京の空は狭いと言われるけど、

ビルとかマンションの間の狭い空から見える月もいいと思う。

 

 

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大昔に比べて人間の住むところは空に少しだけ近くなったけど、

2017年になってもやっぱりまだ私たちは月を見上げてきれいだなと思ったり、歌にしたり、「きれいだよ」って人に伝えあったりしている。

 

 

 

中秋の名月は、じつは周期によってまんまるではないことが多いらしい。

 

 

月がきれいに見える日を定めてみんなで楽しむことに決めている動物って、人間っていいなと思うし、

少しだけ丸には足りない月も、なんだか人間くさい感じがしてとても好きなのです。

 

 

 

 

 

 

 

No.15 新幹線ホーム

 

新幹線ホーム

 

 

この世でいちばん好きな乗り物は新幹線で、新幹線ホームも同じくらい好きなもののひとつ。

 

 

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小さい頃、祖母の家に向かう新幹線にお菓子をたくさん詰め込んだリュックを背負って乗り込んだこと、上京する新幹線の窓から見えた地元の街、昔付き合っていた人に会うために乗った夜の新幹線。

 

 

人が場所を動くときは人生も文字通りいろいろ動くときで、動いたことと大事な記憶は紐付いてることが多い。

 

 

今日の新幹線ははじめてのひとり旅のために乗った。たぶんあとから大事に思い出す移動の記憶になると思う。

 

 

 

 

 

 

No.14 コインランドリー

 

コインランドリー

 

 

コインランドリーを初めて使ったのは、学生の時だった。

 

 

引越しの合い間で洗濯機が家にまだなかったのか、はたまた旅行先だったのか理由は忘れたけれど、

古ぼけた洗濯機に囲まれて、本を読みながら洗い上がりを待つ時間が案外好きだったことを覚えている。

 

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雨が続いて洗濯物を干せなくて、東京に住んではじめて近所のコインランドリーに来た。

 

地下アイドルみたいな女の子2人組が、乾燥の終わった洗濯物を取り出している。

 

 

近づいている台風の風の匂いと、雨の匂いと、洗剤の匂いが混ざった空気のなかで、ユーミンの歌の一節を思い出した。

「台風が行く頃は涼しくなる」

 

明日は晴れるらしいけど、たぶん空は高くて青が薄いんだろう。

 

 

 

 

No.13 夜の不忍池

夜の不忍池

 

 

上野は古い東京の匂いがする。

 

闇市があった街だからなのか、

江戸より後、昭和以前の空気がまだ残っている気がしている。

 

 

夜の水辺は少し不気味だけど、不忍池スカイツリーと月の明かりを映していて優しかった。

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昼間国立科学博物館で恐竜の化石や人類の起源についての展示を見てきたので、

夜の池を見ながら「海から生まれたから水を見ると落ち着くのかな」なんて話をした。

 

 

 

 

不忍池の名前の由来には「ここで男女が忍んで逢っていたから」という一説があるらしい。

 

 

2017年も池のまわりにはいくつかの男女たちが静かに並んでいた。

 

 

 

人間の営みは人類の起源からたいして変わらず、たぶんこれからも変わらずに季節は巡り続ける。夏はまた来年もその次も来る。

 

 

夏の終わりは今日だと自分のなかで決めた。

 

 

 

 

 

No.12 ビルの屋上

 

ビルの屋上

 

 

大学のとき、屋上が好きでやたらと登っていた時期があった。

 

 

全然関係ない学部棟の屋上、地方都市のショッピングモールの屋上。

 

 

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大学を出て東京で暮らすようになってもう2年になるが、たぶん昨日初めて東京の屋上に登った。

 

 

 

ビルの上から見える、家ごとの洗濯物の干し方の違いや、色も素材もバラバラな屋根の色も好きだし

ビルの間に突然あらわれる皇居や公園の緑も好きだ。

 

 

 

 

なんで映画やドラマの大事なシーンは空がひらけた場所が多いんだろう。

火サスの最後、耳をすませばの最後、君の名はのかたはれ時。

 

そりゃ地下室よりそっちほうがいいんだろうけど、なんでいいのかの仮説を考えていたら寝落ちした。

 

 

たぶん第二次屋上ブームが到来する。