No.21 世界の果てお台場
世界の果てお台場
お台場に行くといつも世界の果てに来たみたいな気分になる。
埋め立て地のだだっ広さからは人間の匂いがしなくて、
いつかみた未来人が住む月面の人工都市は、お台場に似ていた。
夕方のお台場なんてまさにこの世の終末みたいで、あの大きな観覧車に隕石がぶつかるところをたまに想像する。お台場には世界の終わりが似合う。
そんなディストピアお台場が嫌いかというとそうではなくて、あの最果て感がむしろ気に入っているし、ぽつんぽつんと大きな建物があるところも「東京テレポート」というりんかい線の駅名もこれ以上ないくらい人工的で良い。
埋め立て地や新興住宅地みたいな、定規でまっすぐ引かれた計画的な街は、歴史が塗り重ねられた古い街にはないエモさがあるように思う。