No.8 深夜のマツモトキヨシ
深夜のマツモトキヨシ
マツキヨの病的な明るさに救われる日もある。
なにをどうしても元気が湧いてこないとき、渋谷の交差点のマツキヨに行く。
ラップか呪文みたいな店内アナウンスを聞き流しながら、
二階のコスメ売り場で口紅を一本買う。
チークとかアイシャドウとかよりは、口紅がいい。
明日の朝塗るべき新しい口紅があるだけで、生きる意味がひとつできる。
そこまで言うとちょっと大げさなのだけど、
そんなわけで深夜のマツキヨのけたたましい明りは嫌いではないのでした。