東京エモみ図鑑

渋谷のOLがエモいものを見つけては上げていきます

No.25 大雪の夜

大雪の夜 いつも東京が台風か大雪に見舞われると、 「これをきっかけに何組が付き合うに至るんだろう」 とふと考える。 オフィスは「帰れる」「帰れない」でなんだか落ち着かない。 歩道は徒歩帰宅を決意した人たちで溢れて、 みんな雪の中を同じ方向を向い…

No.24 年の瀬の花屋

年の瀬の花屋 東京の年の瀬が好きだ。 普段は急いで通り過ぎる道を、 帰省の大きな荷物を抱えた人や いつもよりちょっと良い肉を買う家族連れが、 気持ちゆっくりめに歩いているのを見るのがとても好き。 街の人口密度が低くなって、道で1人が占有できるスペ…

No.23 冬の早朝、渋谷駅ホーム

冬の早朝、渋谷駅ホーム 平安時代に清少納言が枕草子で「冬はつとめて」と言っているのは、 早朝に火を起こしたばかりの火鉢を持っていそいそと移動するさまが冬の朝にふさわしいと思ったからだという。 2017年のいま、土曜の早朝から仕事に向かうために渋谷…

No.22 地味イルミネーション

地味イルミネーション イルミネーションは、わざわざ観に行くような派手なやつよりも 散歩中に偶然出会う地味なやつが好きだ。 「本当は電飾なんてつけられたくなかったんだけどね」なんて言ってちょっと照れ臭そうに立ってるように思えて、 土日にちょっと…

No.21 世界の果てお台場

世界の果てお台場 お台場に行くといつも世界の果てに来たみたいな気分になる。 埋め立て地のだだっ広さからは人間の匂いがしなくて、 SF映画に出てくるディストピアを思い出す。 いつかみた未来人が住む月面の人工都市は、お台場に似ていた。 夕方のお台場な…

No.20 朝の東京タワー

朝の東京タワー 朝の東京タワーは『マイ・インターン』のロバートデニーロみたいだな、と今朝思った。 ちゃんとした身なりで毎日同じ場所に立ち、 通勤者たちをなんとなく優しく見守っているような感じ。 夜になるとそこはかとなく色気があるのも、やっぱり…

No.19 夜の竹下通り

夜の竹下通り クレープ屋も洋服屋も閉まったあとの竹下通りは、閉園後の遊園地みたいな感じがする。 昼間はJKと外国人観光客の醸し出す明るくてぱちぱちした空気がある場所でも、 夜になると街もなんとなく疲れているような、「ちょっと休ませてくれよ」みた…

No.18 首都高のおなか

首都高のおなか 246の上には首都高渋谷線が走っていて 下を歩くと首都高の底が見えるのだけど、 それを勝手に首都高のおなかと呼んでいる。 首都高のおなかは縦縞で、いつか百科事典で見たザトウクジラのおなかもこんな感じだったような、ちょっと違ったよう…

No.17 早朝の明治神宮

早朝の明治神宮 ふだんは夜型なのに珍しく朝早く目が覚めてしまい、散歩へ出ることに。 せっかくなので早朝からやっているパン屋さんをGoogleで検索し、朝ごはんを買いに行く。 代々木公園でほかほかのパンをかじりながら歩いていると、「明治神宮方面」の案…

No.16 マンションと月

マンションと月 東京の空は狭いと言われるけど、 ビルとかマンションの間の狭い空から見える月もいいと思う。 大昔に比べて人間の住むところは空に少しだけ近くなったけど、 2017年になってもやっぱりまだ私たちは月を見上げてきれいだなと思ったり、歌にし…

No.15 新幹線ホーム

新幹線ホーム この世でいちばん好きな乗り物は新幹線で、新幹線ホームも同じくらい好きなもののひとつ。 小さい頃、祖母の家に向かう新幹線にお菓子をたくさん詰め込んだリュックを背負って乗り込んだこと、上京する新幹線の窓から見えた地元の街、昔付き合…

No.14 コインランドリー

コインランドリー コインランドリーを初めて使ったのは、学生の時だった。 引越しの合い間で洗濯機が家にまだなかったのか、はたまた旅行先だったのか理由は忘れたけれど、 古ぼけた洗濯機に囲まれて、本を読みながら洗い上がりを待つ時間が案外好きだったこ…

No.13 夜の不忍池

夜の不忍池 上野は古い東京の匂いがする。 闇市があった街だからなのか、 江戸より後、昭和以前の空気がまだ残っている気がしている。 夜の水辺は少し不気味だけど、不忍池はスカイツリーと月の明かりを映していて優しかった。 昼間国立科学博物館で恐竜の化…

No.12 ビルの屋上

ビルの屋上 大学のとき、屋上が好きでやたらと登っていた時期があった。 全然関係ない学部棟の屋上、地方都市のショッピングモールの屋上。 大学を出て東京で暮らすようになってもう2年になるが、たぶん昨日初めて東京の屋上に登った。 ビルの上から見える、…

No.11 夏休みの渋谷

夏休みの渋谷 夏休みの渋谷には、地方から遊びに来ている中高生がたくさん いつもの渋谷とはちょっと成分が違う感じがして、おしゃれもいつもより少し肩に力が入っていて、ああいまは夏休みなんだという、いつもより1.7倍くらいそわそわした空気が漂っている…

No.10 夜に鳴くセミ

夜に鳴くセミ 深夜、寝る前に気づいたら 窓の外から蝉の声がする。 セミって夜に鳴くんだっけ?と思って調べると 暑すぎるのと街が明るいのとで昼と勘違いしてしまうらしく 熱帯夜の多い東京のセミはここ10年くらいで夜にも鳴くようになったらしい。 ただで…

No.9 ゲリラ豪雨

ゲリラ豪雨 映画館を出たらとんでもない雨 (写真は違う雨の日) 花火大会がたくさん中止になったらしい。 でも、普通に終わる花火大会より、豪雨で中止になった花火大会の方が記憶に残りそうだし、ドラマも生まれると思う。雨はドラマを動かす。 「あの年の花…

No.8 深夜のマツモトキヨシ

深夜のマツモトキヨシ マツキヨの病的な明るさに救われる日もある。 なにをどうしても元気が湧いてこないとき、渋谷の交差点のマツキヨに行く。 ラップか呪文みたいな店内アナウンスを聞き流しながら、 二階のコスメ売り場で口紅を一本買う。 チークとかアイ…

No.7 水槽のフグ

水槽のフグ 東京には思ったよりたくさんフグのお店があって、 だいたいは店先に水槽がある。 毎日通るフグ屋のフグたちと目を合わすのが日課。 毎日見ていると、フグにもやる気がない日と元気な日があるのがわかっておもしろい。 だけど昨日会ったフグと今日…

No.6 ガード下の看板

ガード下の看板 渋谷は若者文化の最前線かと思いきや、たまに昭和の匂いがするから侮れない。 ガード下にあった看板がなんともよかった。 ここで催される学生コンパ、なかなか香ばしそう。

No.5 消える東京タワー

消える東京タワー 東京タワーが見える会議室が好きだったのに 新しいビルの出現によって見えなくなってしまった。 しかしこれもまた東京。 3年後の今日はオリンピックらしい。 その頃にはどうなっているのかしら。 見えなくなるものより新しく見えるものが多…

No.4 カレー屋さんがくれるラムネ

カレー屋さんがくれるラムネ 会社近くのカレー屋にて。 食後にもらったラムネ。久々にこいつと再会 ラムネってほんとに不味くもないけど美味くもない。 だけどこいつの顔と青と黄色のパッケージが絶妙にエモい。 久々に観たポケモンで幼少期を思い出して泣い…

No.3 ひとりで食べるピザ

ひとりで食べるピザ よし、今日は炭水化物を食べてやる。な日 わーこれひとりで食べていいんだ、という独占欲と背徳感がエモい。 みんなだと8等分するところを4等分にして、大口でばくばくっと食べる。 4分の3食べたところでお腹いっぱいになってきて、 やっ…

No.2 銅で飲むアイスコーヒー

銅で飲むアイスコーヒー 取材に使ったカフェにて。 夏の飲み物は銅の容器で飲むとエモさが4割り増し。 汗をかいてるビジュアルもまたエモし。 持ってられないくらいキンキンに冷えてくれる不思議。 鋭利な飲み口も良い。エモい。

No.1 防火水槽の蓮

防火水槽の蓮 防火水槽がいつ使われるのかがいまだによくわからない。 あんな小ささで火事は果たして消せるのか? 君の出番はいつなんだ? 使いみちはともかく、通勤路には一つ防火水槽があって、溜まった水の中に蓮が咲いている。 これがなんだかピッカピカ…